「自分が思い描いている理想になかなか到達しなくて疲れてしまった」
「できない自分を追い込んでばかりいる」
そんなあなたは完璧主義かもしれません。
私自身、自他共に認める完璧主義者でした。そして今も根っこの部分はおそらく変わっていないです。
しかし、フリーランスになって自己分析をする機会が増え、少しずつ「完璧」に対する考え方が変わってきたように感じています。
今回は、完璧主義者だった私がラクに生きられるようになった経緯をお伝えしていきます。
「完璧主義な考え方から抜け出したい、改善したい」と考えていても、具体的に何を変えればよいのか分からないと辛いものです。
この記事が、完璧主義で悩んでいるあなたにとって何か少しでもヒントになれば嬉しく思います。
人と比べて劣等感だらけだった過去

自分が完璧主義であることに気づいたのは中学生のころでした。
「なんでも1人でできるようにならないといけない」
「ダメな自分は周りから嫌われるんじゃないか」
「あの人みたいにもっと上手になりたい」
そんなふうに考えては、日々人と比べて劣っている部分に目をつけて、追いつこう追い抜こうと必死に努力していたのをよく覚えています。
「何でもできてすごいね」と言われても、自分の中には「勉強も運動も完璧にこなす自分」の像しか頭にありません。
自分がイメージする「完璧な自分」に到達しない限りは意味がないと考えていました。
人からの褒め言葉も全く耳に入っておらず、いつも「まだまだだ」と自分を叱咤激励する日々でした。
「完璧主義は愚の骨頂」初めて受け取った衝撃的な言葉

社会人2年目のある日、当時から尊敬している先輩と「完璧主義」について話していた時のことでした。
先輩からの一通のLINEに、私は電撃が走るほどの衝撃を受けました。
「完璧主義は愚の骨頂」
写真で送られてきた本の1ページにそう書かれていたのです。
私は初めて、自分が劣等感にまみれながらも「完璧を目指している自分ってかっこいい」と心のどこかで思っていたことに気づきました。
先輩から全てを見透かされたような気持ちになって、すごく恥ずかしくなりました。
「完璧主義はやめよう」と決意した瞬間でした。
「できていること」を言葉で認識する練習

完璧主義をやめると決めたものの、長年しみついた考え方がすぐに変わるはずもなく。
やめ方も全く分からなかったので途方に暮れていました。
先輩に再度相談したところ、「改善点を書き出すときは、一緒に『自分ができていること』も書くように」と言われました。
「わざわざ自分のできていることを書き出して何の意味があるんだろう」というのが当時の率直な感想でした。
ただ何もしないでいては変われないので、「できていること」を書き出そうとしました。
が、自分でもびっくりするくらい何も思い浮かばず、手が止まったままでした。改善点はいくらでも思いつくのに…
人と比べて「自分が劣っているところ、できていないところ」ばかりにフォーカスする癖がついてしまっていて、できていることについて考えることはほとんどなかったのです。
そもそもできていることを認識する意味すら理解していませんでした。
完璧主義の当時の思考で思いつくのは「完璧を目指すならできていることも認識しておかないと、再現性が取れないな」ということだけでした。
その場しのぎの理屈でしたが、個人的には納得できたので練習を続けることにしました。
「100点じゃない自分は0点」から「昨日より+1点できた自分」に

「できていることを言葉で認識する練習」の成果を徐々に感じ始めたのは、ここ最近の話です。
もしかしたら周りから見ると「変わったな」と思われていたのかもしれませんが、自分で「考え方が変わった」と認識できたのはほんの数日前のできごと。
完璧主義だとどうしても、「成長の過程」を自分で認識できていないことが多いんだなと、自分の経験上感じています。
「できていることを書き出す」という作業は、気づいていない自分の成長を認識して「自分こんなにできてるじゃん!」と認めてあげる練習になっていたんです。
完璧主義の考え方は、「全部できているのが当たり前」という基準のもと、基準に達していない部分を引き算していく「減点方式」。
できていることを書き出す作業を通して身につけられるのは、何もできない状態を基準として、できるようになったことを足し算していく「加点方式」。
「できていることを書き出す」
たった1つのシンプルな作業で、自分の視点を「頂上から見た今の自分」から「山のふもとから見た今の自分」へと変えることができました。
視点が変わったら生きるのが何倍もラクになった

最後に、「できていることを書き出す」作業を実践して減点方式から加点方式へと考え方が変わった結果、普段の生活がどう変わったのかをお伝えしたいです。
一言で表すなら「生きるのがラクになった」。
- できなかったことで自分を責めることがなくなった
- 比較対象が「自分以外の人」ではなく「昨日の自分」になったことで他人の評価が(前ほど)気にならなくなった
- 褒め言葉を素直に「ありがとう」と受け取れるようになった
まだまだたくさんありますが、特に大きく感じた変化はこの3つです。
「より高みを目指す」というよさは残したまま、現時点の自分もそのまま受け入れられるようになったイメージです。
まとめ:できていることも認めてラクに生きよう

今回は、「完璧主義だった自分がラクに生きられるようになるまで」という自分の経験を書いてみました。
やったことは「できていることを書き出す」というシンプルな作業のみ。
即効性があるわけではないですが、継続することで少しずつ考え方が変わっていくのを実感できました。
未熟な自分を今は認めることが難しくても、いつかまるごと愛せる日が来る、私はそう思います。
完璧主義で悩んでいたり、自分に厳しくしすぎてしまったり…そんな自分を変えたいと思っている方にとって、この記事が何かのヒントになれば嬉しいです。
コメント