「来月から学校が始まるけど、うまくやっていけるかな」「社会人になるのが不安」この記事は、そんなあなたに向けて書いています。
人生の中で、誰もが一度は経験したことがあるであろう「変化」。大きな変化であれ小さな変化であれ、何かが変わる前は不安になる方も多いのではないでしょうか。
私自身、変化に対してなんとなく怖いイメージを持っていました。そんな私の価値観を変えてくれた本を紹介します。
この本を読めばきっと、変化に対する見方が変わりますよ。
- チーズはどこへ消えた?は「変化が不安な人」に読んでほしい!
- 著者「スペンサー・ジョンソン」は心理学者
- 本のメッセージは「変化を楽しみ柔軟に適応しよう」
- 登場人物は「変化」に対して異なる考え方を持つネズミと小人
- 「変化」に対する大切な考え方を物語から学べる
- チーズを手に入れれば幸せになれる
- 自分のチーズが大事であればあるほどそれにしがみつきたがる
- 変わらなければ破滅することになる
- もし恐怖がなかったら何をするだろう?
- つねにチーズの匂いをかいでみること そうすれば古くなったのに気がつく
- 新しい方向に進めば新しいチーズが見つかる
- 恐怖を乗り越えれば楽な気持ちになる
- まだ新しいチーズがみつかっていなくてもそのチーズを楽しんでいる自分を想像すればそれが実現する
- 古いチーズに早く見切りをつければそれだけ早く新しいチーズがみつかる
- チーズがないままでいるより迷路に出て探したほうが安全だ
- 従来どおりの考え方をしていては新しいチーズはみつからない
- 新しいチーズをみつけることができそれを楽しむことができるとわかれば人は進路を変える
- 早い時期に小さな変化に気づけばやがて訪れる大きな変化にうまく適応できる
- 変化は恐れるものではなく、自分を成長させるもの
チーズはどこへ消えた?は「変化が不安な人」に読んでほしい!
- 進学・就職
- 昇進
- 結婚
- 妊娠・出産
など、人生にはさまざまな変化があります。新しい環境に飛び込むとき、少なからず不安になることもありますよね。
もし今、環境の変化に対して不安や恐怖を感じているとしたら、ぜひこの本を手に取っていただきたいです。本を読み終えた後は、きっと今抱えている不安が軽くなっているはずです。
著者「スペンサー・ジョンソン」は心理学者
「チーズはどこへ消えた?」の著者であるスペンサー・ジョンソンは、医学博士でありながら心理学者でもあります。
心臓のペースメーカー開発にたずさわりながら、複数の大学や研究機関において顧問を担当しています。
その功績を認められ、ハーバード・ビジネス・スクールの名誉会員に選ばれました。
「1分間マネジャー」「1分間意思決定」「人生の贈り物」など、多数の本を執筆しています。
本のメッセージは「変化を楽しみ柔軟に適応しよう」
まず結論からお伝えすると、この本のメッセージは「変化を楽しみ、柔軟に適応しよう」ということだと私は捉えました。
変化する前は恐怖や不安を感じてしまいがちですが、実際に飛び込んでみると案外楽しかった、という経験をしたことがある方も多いことでしょう。
また、環境が変わった結果今までよりも大きく成長できた経験を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
変化は必ずしも悪いものではなく、自分にとってプラスの影響をもたらしてくれることもよくあります。だからこそ、変化することは本来楽しいことであり、環境に合わせて変化し続けることが大切なのです。
登場人物は「変化」に対して異なる考え方を持つネズミと小人
「チーズはどこへ消えた?」の物語には、2匹のネズミと2人の小人が登場します。ネズミと小人はそれぞれ「変化」に対して異なる対応を示します。
ネズミのスニッフ
変化をいち早くかぎつける。
ネズミのスカリー
変化に対して素早く行動する。
小人のヘム
変化が嫌いで、変化に逆らおうとする。
小人のホー
うまく変化の波に乗ろうとする。
「変化」に対する大切な考え方を物語から学べる
物語の要約をしながら、この本が「変化」に対して伝えてくれているメッセージについて考えていきます。
物語は、迷路の中でネズミと小人がチーズを探しているところから始まります。毎日それぞれの方法で迷路の中を走り回ってチーズを探していたネズミと小人は、ある日チーズステーションCで大量のチーズを見つけるのです。
チーズを手に入れれば幸せになれる
チーズの山を見つけた後も、2匹のネズミは毎日チーズステーションCを点検し、いつでも迷路に出られるように準備をしていました。しかし2人の小人は安心しきってしまい、のんびりと暮らすようになります。
人は目標を1つ達成すると気が抜けてしまいがちになります。そして達成した時の幸福感がずっと続くと思い込んでしまうのです。でも実際はそうではなく、環境が変われば栄光は過去のものになり、自分は衰退していってしまいます。
自分のチーズが大事であればあるほどそれにしがみつきたがる
慢心しきった小人たちに、驚くべき変化が訪れます。ある朝起きると、チーズステーションCにあった大量のチーズがなくなっているのです。
毎日点検していたネズミたちは慌てることなくすぐに次のチーズを探しに出かけましたが、小人たちは突然の出来事に動けなくなってしまいます。
チーズを手に入れて安定した生活ができると信じきっていた小人たちは事態を受け止められず、怒ったりわめいたりして不安をあらわにすることしかできません。
過去に自分が作り上げた成果が大きければ大きいほど、人は過去の結果に固執してしまいます。でも実際は、色褪せた記憶にすがりついていても何も変わることはありません。
変わらなければ破滅することになる
小人たちは「なぜチーズがなくなってしまったのか?」ということについて何日も考えていましたが、ついにホーが行動を起こします。新しいチーズを探しに行こうとするのです。
でもヘムは気乗りしません。今まで居心地が良かったチーズステーションCで待ち続けた方がいいと主張します。
また迷路に出ても失敗するんじゃないかというヘムの言葉にホーも一瞬迷いますが、チーズステーションCにとどまっているよりは探しに出かけた方がよいと、迷路に出ることを決意します。
変化が起きたとき、自分が変わらなければ時代に取り残され、いずれは生きていけなくなってしまいます。過去の経験は役に立ちますが、悪い想像をするために使うのはナンセンスです。
環境の変化を認めずに、変わらない自分であり続けようとすることの方がよっぽど恐ろしい未来を引き寄せてしまうでしょう。
もし恐怖がなかったら何をするだろう?
ホーは迷路へと足を踏み入れましたが、何度も不安に襲われます。チーズは見つかるのだろうか。このままチーズが見つからなかったらどうすればよいのだろうか、と。
恐怖や不安が頭に浮かぶたびに、ホーは「チーズがないままでいるよりはずっといい。自分でなんとかしようとしているのだから」と自分に言い聞かせます。
人は新しいことに挑戦しようとするとき、つい「もしうまくいかなかったらどうしよう?」と考えてしまいます。実際にうまくいかない確率がどれくらいあるのかも分からないのにもかかわらず。
実際は恐怖に囚われている間こそうまくいかず、「きっとうまくいく」と信じた瞬間にうまくいく未来へと変わるのだと思います。
つねにチーズの匂いをかいでみること そうすれば古くなったのに気がつく
ホーは迷路を進みながら、チーズステーションCのチーズが一夜にしてなくなったわけではないことを悟ります。そしてネズミたちは小さな変化に気づいていたであろうことも。
これからはもっと変化に注意し、自分から変化を求めていこうと決意するのです。
私たちの日常でも、小さな変化は常に起こっているのでしょう。でも多くの人は変化を恐れていて、少しずつ変わっていく日々に目をつぶったまま過ごしています。
環境が変わっていくことを拒否するのではなく、自ら変化を感じ取って適応する方が実はラクなのです。
新しい方向に進めば新しいチーズが見つかる
ホーはチーズが見つからない経験を何度も繰り返し、もう生き残れないのではないかという恐怖に駆られます。しかしそのたびに、「もし恐怖がなかったら何をするだろう?」と自分に問い続けるのです。
恐怖がなかったらするであろうことを繰り返すうちに、だんだんと本当に恐怖が薄れていくのを感じはじめます。
環境の変化に恐怖を感じるのは、「変化=何かを失うこと」と無意識のうちに捉えてしまっているからなのかもしれません。迷路の中でチーズが見つからない道がわかることは「次にチーズが見つかる可能性を高めること」であり、決してマイナスではありません。
恐怖を感じて立ちすくんでしまったら、とにかく今までやったことのないことに挑戦してみましょう。行動すればするほど、新しい希望が見つかるはずです。
恐怖を乗り越えれば楽な気持ちになる
ホーは前に進み続けるうちに、どんどん愉快な気持ちになっていくのを感じます。そして同時に、自分が今までどれほど恐怖に囚われていたのかを悟るのです。
人はまだ見ぬ未来に対する恐怖がなくなったとき、驚くべき行動力を発揮します。恐怖心はお化けと同じで、ほとんどの場合は実現しません。未来を想像するのなら、うまくいったときのことを考える方が賢明です。
まだ新しいチーズがみつかっていなくてもそのチーズを楽しんでいる自分を想像すればそれが実現する
ホーはよりいっそう愉快な気持ちになるために、自分の好きなチーズに囲まれた自分の姿を鮮明にイメージします。新しいチーズを手に入れたときのイメージが明瞭になればなるほど、ホーは自分の想像が実現するだろうという気がしてきます。
未来は自分が思い描いた通りになります。悪い想像をしていれば悪い未来を引き寄せてしまいます。どんな人生が自分にとって最高の人生かを思い描くことで、前に進む勇気が湧いてくるでしょう。
古いチーズに早く見切りをつければそれだけ早く新しいチーズがみつかる
恐怖を乗り越えたホーは、元気はつらつと迷路の中を動き回ります。そしてついに、新しいチーズのかけらをいくつも見つけます。ホーはチーズのかけらをポケットに入れ、ヘムのもとへ戻ることにするのです。
過去の栄光に見切りをつけるのが早ければ早いほど、また新しい成果が待っています。変化が悪いものだと思い込んでいると、もう過去に自分が得た成果よりも上はないと思ってしまいがちです。でも実際は、変化がさらによい結果をもたらしてくれます。
チーズがないままでいるより迷路に出て探したほうが安全だ
ホーはヘムのもとへ戻りながら、チーズステーションCにいた頃の自分を思い返します。チーズがなくなってからもチーズステーションCにとどまっていた頃の自分は、心細さと恐怖に怯えていました。
迷路に出てもチーズを見つけられないのではないかと想像していましたが、実際に迷路に出てみると、少しずつであってもチーズを見つけられたのです。何もしないくらいなら、とにかく行動してみたほうがよいことをホーは悟ります。
周りの変化を知ろうとしないままでいると、未来の可能性を潰してしまうかもしれません。過去の栄光が役に立たなくなったとき、新しい可能性を模索することで選択肢が広がります。可能性を広げるのも潰すのも、自分の思考と行動にかかっているのです。
従来どおりの考え方をしていては新しいチーズはみつからない
チーズステーションCを出る前のホーは、「変化は間違っている」と思い込んでいました。でも今は、「変化が起こるのは自然なことだ」と考えるようになりました。
変化に驚くのは、予期したり期待したりしていないからだと気づいたのです。
環境が変化したとき、自分が考え方を変えなければ新しい道を見つけるのは難しくなります。今までの自分の位置からは死角の位置に別な道が用意されていて、それは自分が動かなければ見えることのない道だからです。
新しいチーズをみつけることができそれを楽しむことができるとわかれば人は進路を変える
「変化は間違っている」と考えていた頃のホーは、もう迷路に出てもチーズは見つからないだろうと想像していました。でも「変化は自然なことだ」と受け入れるようになってからは、またチーズは見つかるだろうと思えるようになりました。
まだ新しいチーズは見つかっていなくても、考え方を変えたことで想像する未来が180度変わったことを、ホーは感じていました。
人は考え方が変われば行動が変わります。事実は1つしかないですが、事実に対する解釈は無限大です。変化が自分にとっていい未来を連れてくると分かれば、人は簡単に行動を変えるのです。
早い時期に小さな変化に気づけばやがて訪れる大きな変化にうまく適応できる
ホーはチーズステーションCの状況が少しずつ変わっていたことには気づきませんでした。それゆえに変化を受け入れるのには苦労しましたが、最終的には変化の波に乗ることを選んだのです。
ホーは迷路を進み続け、ついにチーズステーションNで新しいチーズの山を見つけました。その後はチーズステーションCの時とは異なり、毎日周囲を点検し、常に新しいエリアの探索も続けるようになりました。
環境と自分のギャップが大きくなればなるほど、適応するのが難しくなってしまいます。小さい変化に気づくためには、機能との違いに常に目を光らせて、感覚を研ぎ澄ませておくことが大切です。
変化は恐れるものではなく、自分を成長させるもの
「チーズはどこへ消えた?」を通して学んだことは、「変化は自分を成長させるものである」「現状維持は衰退のもとである」ということでした。
快適な時間と空間を捨てるときには勇気がいるし、一時の不快感も伴います。でも最終的には、環境が変わった時に自分が変わらないままでいた方が生きるのが辛くなってしまいます。
これからはますます変化が激しい時代になります。変化が激しい時代を生き抜く上で、「変化をどう捉えるか」ということは間違いなく重要になるでしょう。
変化が怖いと感じている方は、ぜひこの本を読んで「変化に対する新しい考え方」を取り入れてみてください。きっと今までとは違った未来が待っているはずです。
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